書店の中途採用求人を探して正社員なろう

読書・雑記・書店員お役立ち

以前書いた、棚と平台を支配するアルバイトになろうの続きです。

今回は中途採用で書店の正社員になる方法です。

書店の社員の多くはアルバイトからのたたき上げですが、アルバイトから正社員になるには5年ぐらいかかります。

それどころか、契約社員ですら3年以上かかることもあります。

会社というのはズルくて残酷です。同じ人件費なら、アルバイト・契約社員で使い倒したいと考えがちです。

ただでさえ利益の出なくなった書店業界。なるべく正社員補充をせずに人件費を減らす方向にあります。

それに対抗する実効性のある労働者組織も無いです。

一応書店協労という団体がありますが、2009年の更新を最後にHPは止まっています。

業界自体に政治力が無く、軽減税率の導入も出来なかったですし、ロビイストもいません。

『書店は専門性の担保のために、正社員を坪数に応じて最低限設置しなければならない』といった法律があればいいのですが、夢のまた夢です。

経営陣の考え方は、店員の専門性を高めるのではなく、いかに誰でもできる仕事にして少人数のパートタイマーを中心にして店を廻すことができるかばかり腐心しているのが実際です。

それでも狭き門とはいえ正社員登用試験があります。

これを受けているのは大抵20代30代でした。

業界の傾いた様子は知っている。それでも本が好きで、これを生業にしたい。だから、5年以上の下積みを厭わずにチャレンジしていたのです。

希望叶い、正社員として活躍している人がいれば、無残に敗れ去る人を何人か見てきました。

チェーンによっては、社員試験を受けれる回数が限られている、と聞きます。

すなわち、合格しなければその時点で雇用打ち切りとなるのです。

子飼いのスタッフが契約社員なることが叶わず

おのれ人事部!本部にいて、ラッピングも出来ない癖に!おめん包めるか!と憤怒を露わにしたこともあります。

落ち込むスタッフに対して僕が勧めたのは、他社の中途採用(正社員)の応募です。

5年も下積みが課せられても100%の採用が約束されていない。であれば、中途採用(正社員)を時々他の書店はしているので、並行してそこも狙った方のが人生の保険になると囁いたのです。

僕自身が書店アルバイト経ないでいきなり中途採用書店員(正社員)に収まったという経歴なのでよけいにそう感じるのですが、若い20代を人事部の気まぐれに振り回されるぐらいなら、中途採用書店員(正社員)求人が出ていないか常に探した方が良いのです。

中途求人にアンテナを張り、自分の人生を救う黄金のチケットを探そうじゃありませんか。

「いや、いま属している書店に対する背信ではないのか・・・」とウブな書店員は思いがちですが、職業の自由は憲法で保障されていますし、なにより

最低時給すれすれ×労働時間の賃金から360~400万円の年収にアップすることは、人生の幅を変えるに違いないじゃないですか。

まぁ、書店員の年収360~400万円も他の業種からすればひどい話ですが、いわゆる書店でレジ打ったり品出ししている人たちのほとんどは、最低時給すれすれ×労働時間の賃金なのです。まずは社員になることで少しは状況がましになるのです。

ということで、今回のテーマは中途採用突破で正社員になろう。です。

下積みをワープして正社員になろうじゃないですか。

僕がなれたのだから、きっと別の方でもイケるのではないと考えるのです。

なぜ中途正社員を取るのか

まず、なぜ会社はアルバイトからのたたき上げや新卒だけではなく、時々中途正社員を採用するのでしょうか。

それを考えるのには、まず王道コースの特徴を捉えましょう。

書店で正社員になる王道は、アルバイトからのたたき上げと新卒です。

たたき上げは、アルバイトから初めて正社員までゆっくり経験を積んだ人です。会社としても勝手知ったる人物がたたき上がってゆくわけですから、信頼性も高いし、求人費もかかりません。

もう一つの王道、新卒採用は全国転勤や関連事業・新規事業など様々なところで使える汎用性のある人物が求められます。新社会人というのは染まっていないので、染め甲斐があるというものです。

会社は、この2種類の系統で大抵廻るのですが、なぜ、中途採用正社員の枠が存在しているのでしょうか。

中途採用という枠は、その時点で他とは違う働きを期待されているのです。

中途採用の目的は、外部の見識を取り入れるためです。

書店に足りない何かを、中途採用者が補ってくれるのではないかという期待があるのです。

かといって、異文化を一気に持ち込まれても混乱するので、アクセント・スパイスとして若干名なら必要だろう、と考えるのです。

アクセント・スパイスとは難しいものではないです。採用担当者を「なんか、面白そう」と感じさせる程度で十分です。

最低限、販売業としての所作を身に付けていて、現場で問題を起こすことは無いだろうな、という最低限のハードルさえ超えれば、あとは実績と家が近いとか周辺情報で合否を決めているのです。

中途採用者に求められる最低限のハードル

中途採用者の最低限のハードル もうすこし詳しく説明すると

  • 接客でお客様を不快にさせる要素は無いか
  • 他のスタッフと上手に波風立てずに仕事できるか
  • アルバイトを指導した経験があるか

この3点です。

採用者担当として一番困るのが、「あの、中途採用で来た人ナニ?!」と現場からクレームが来ることです。逆に「中途採用の人感じイイね」となれば採用者の株が上がるというものです。

この3点に加えて、書店の実務、どんなジャンルを担当して、どんな成果を上げることができたか実績が伴っていれば、まず合格することでしょう。

これを、現在書店でアルバイトしている人に落とすとこうなります。

新人指導の経験がある

レジ以外で接客対応の経験がある

棚を受け持っていて、出版社営業との対応をしている

社員不在時のイレギュラー対応の経験がある

周りから好感をもって受け入れられていて、ジャンルを超えた協業でできている

この5項目です。レジだけやっていました、では中途採用は突破できません。

経験があるというのは、係として受け持っていたという意味ではなく、やったことがあればいいのです。

実績については前年度よりも良くなったぐらいでいいです。

書店員1年生では難しいですが、棚担当を受け持ち2,3年働いていればこの水準に達しているアルバイトは結構いるのではないでしょうか。

これらの経験があれば年収アップのために中途採用(正社員)を狙うことができます。

たしかにオープンになった中途採用は応募が殺到します。100人とか。

しかしこの大半は門外漢の業界からの応募です。

それに比べて、あなたは2,3年も書店の現場にいて、半分社員のようなこともしてきたのです。十分合格圏内にいると考えて差し支えありません。

仮に不採用になったとしても、面接に向けて準備したことは自分のたな卸しになり、いまの書店でさら積むべき経験を見出すことができるのです。

中途採用求人を見つけよう

さて、アルバイトから社員へ、一気に年収が増える黄金のチケットですが、常にはありません。

ただ、年間を通してみると数件出てきます。

情報を逃さないためにも

転職サイトに登録だけでもしておきましょう。

リクナビとマイナビでDODAで十分ではないでしょうか。

キーワードを 書店 本屋 正社員 と設定してじっくり待ちましょう。

また、

気になる書店があればコーポレートサイトもチェックしましょう。

これは、僕の経験ですが

  • 有隣堂
  • TSUTAYA
  • HMV BOOKS

の求人は見かけることがありました。

店舗数を増やしているチェーンそれだけ募集があることが多いです。

ただ、募集業種が書店店舗でない場合もあるので注意してください。

志望書店の分析は必須。面接で話題作りに役立ちます

さて、中途採用がありました。

次にその会社の情報をかき集めます。

厚化粧な美辞麗句ばかり並ぶ人事サイトをもちろん、口コミサイトもチェックです。

例えば、キャリコネで評判を見てみましょう。

企業・会社の評判、口コミ、年収など転職・就職に役立つ情報サイト キャリコネ
転職希望者の信頼度が高い口コミサイト「キャリコネ」年収・ボーナス・企業の評判・面接対策など社員や元社員による本音の口コミを30万件以上掲載しています。

もちろんこれは、辞めた人の意見なので、冷や飯を食わされた人の僻みとも言えます。

人事が恣意的でこの野郎!という怒りは裏返せば、人事を取り込むことができれば甘い汁がある、と解釈することができるのです。

僻みのならぶ口コミサイトとええかっこしい言葉ばかり並ぶ人事サイト。

見比べて分かるのは、いかに採用面接が騙しあいであるかという事です。

みうらじゅんさん 「ない仕事」の作り方 の中で面接とは接待のようなものです。

と紹介されていましたが、ほんと接待なのです。

面接は自分をさらけ出す場所ではなく、人事担当者が言われて嬉しくなってしまう言葉を並べ、思わず採用判子を押したくなるように接待することなのです。

会社名×人事 会社名×社長名

で調べると、意外と人事担当者や社長が外部でペラペラおしゃべりしています。

これもまた、ええかっこしい話が多いのですが、

その話をいくつか覚えておいて、面接でちらり見せると

「こやつ、調べたな愛いやつ」

と覚えよくなることもがあります。

書店員は概して、騙しあいとか駆け引きが苦手な人が多いですが、こと中途採用面接においては、接待と割り切って、笑いを取るぐらいの勢いで行くことをオススメします。

現場を知らない人事部の採用基準は、採用された後クレームが立たないことと「なんか、面白そう」程度なのです。

中途採用面接突破の秘訣

現場経験者として

  • 接客でお客様を不快にさせる要素は無く
  • 他のスタッフと上手に波風立てずに仕事できている
  • 新人指導の経験がある
  • レジ以外で接客対応の経験がある
  • 棚を受け持っていて、出版社営業との対応をしている
  • 社員不在時のイレギュラー対応の経験がある
  • 周りから好感をもって受け入れられていて、ジャンルを超えた協業でできている
  • 受け持っている棚の成績も悪くはない
  • どんな会社であるかも調べた
  • 人事と話が盛り上げるための、社長の言葉、人事の言葉も覚えた

ほぼ、これで合格です。下積みワープ決定です。

さらにダメ押しで「売上と人に興味がある」PRをしましょう。

アルバイト面接の話をした時もそうですが、本に関して、本が好きだというオーラを出すのではなく。

本が売れる事に興味がある。アルバイトしている店の裁量以上の事を御社で発揮したい。それが私にとってのキャリアの実現であり、ちょっと大げさですが今回の求人を見て運命的なものを感じました。という風に話を持ってゆきましょう。

採用担当者に、あなたがその書店に中途入社するための経験をアルバイト先で積んできたと思い込ませるのです。

そして、もう一つのキーワードは人です。

仕事が属人的になりがちな書店の現場において、調整役の存在は重要です。

お店のメンバーで協力してこんなことをした、あんなことをした、というエピソードは有効です。そういう経験が無ければ、ぜひ今からでも作ってください。

本だけではなく人を扱うことができるということが強力な魅力なのです。

そこまで、自分を面接の場でPRできるか自信無いかもしれません。けれども、もし、この中途採用を突破できれば、年収は約倍です。

このままのアルバイトでは、契約社員→正社員となれる保証はありません。自分の人生を自分でつかみ取るため、挑戦してみてはどうでしょうか。

成功すれば下積みを何年かワープすることができるのです。

おめでとう書店の正社員になりました

書店の正社員。これがゴールでしょうか。違いますよね。

主任、フロアマネジャー、店長、役員と階梯はまだまだ続きます。

権限が増えるほどに本からは離れ、人を使った仕事になります。

苦しい局面をスタッフと共にしなければいけない時もあります。

外部の仕事もやってくるかもしれません。

店長経験を活かして独立という選択肢も出てきます。

あるいは、新しい価値を書店に吹き込む旗手となるのか。

夢は膨らみますね。

中途採用に申し込むなど、その序章に過ぎません。

若い時間は限られています。なかなか、中途採用の出稿はありませんが、常にアンテナをはりましょう。

若い時間を無駄にしないで・・・とれは強く言いたいことです。

いい人生に乾杯したいじゃありませんか。

今日はここまで

お読みいただきありがとうございました。

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