たまには、隣の棚を見ませんか ずらして分かる書店の楽しみ方

書店あるある

書店で働いているとあることに気付く

女性誌の周りには女性が

男性実用書の周りには男性が

少女コミックには女性が

学習参考書に学生が

棚のそばにいる人物の属性はある程度固定されているのです。

出版され届けられた本をカテゴライズして並べているのが書店。

その本に関心がある、必要とする層に響くわけですので

女性が集まりやすい棚、男性が集まりやすい棚が生まれることは当然です。

この属性を見極めながら、次これ買うだろ?と棚を作ってゆくのが書店員の腕です。

しかし、いつもの棚を見ているだけでは、いつもの発見しかありません。

思いがけない本との出会いを求めるのであれば

思い切って、一つ先の棚、裏の棚、違う階に行ってみませんか?

書店員という仕事の面白さは、朝届いた書籍を見て、「こんな本もあるのか」「こういう課題が本になるのか」「なにこれ?」と出版物を通じて世の中の動きを感じるところにあります。

棚に挿さっている一つ一つの本には様々なプロフェッショナルが関わっています。

著者だけではありません、著者担当、編集、校正、印刷、製本、そして書店員。

多くの人の手を経て生まれた本には意味があるはずなのです。

(それを読み取るのにセンスがいる本もありますが)

たまに違う棚を眺めることに発見があるのは、人の興味関心の集合体が書籍だからなのです。

理系大学生・エンジニアを対象とした、理工書

英語で書かれた書籍並ぶ、洋書

医学生・医療従事者に向けに書かれた、医学書

プロの料理人が参考とする、専門料理書

いろいろな情報があって、いろいろな人がそれを求めている。

必要としている人が一定数いるだろう、だから一定数刷られ、書店に並んでいる。

積み重ねられた知識の歴史と必要とされる知識が交わった点を本棚に感じることができるのです。

情報は、きれいごとだけではありません。儲けたい、モテたい、自己顕示欲を高めたい。

陰謀論、人にはみえない力を書いたもの、死後の案内

どろどろしたものも整然公平に棚に並んでいます。

そんな本が、届くと「マジか?!この内容」

と引くこともありますが。

まぁ、それが書店のいいところじゃないでしょうか。

事実を包み込み、判然とした理論をまとった虚実は心地よかったりするのです。

文芸やコミックという一大ジャンルがありますが、大抵の本にこう注意書きがあります。

この小説・漫画・ドラマはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

フィクションの束があまりに多くの棚を占め、しかも支持を集め売れている事か。

フィクションなのだけど、棚に存在していることはノンフィクションであるというパラドクス。

言葉という利器を使って編まれし書籍。

その幅の広さを隣の棚から感じて欲しいと願っています。

女性誌の周りには男性が

男性実用書の周りには女性が

少女コミックには男性が

学習参考書にサラリーマンが

たまには、隣の棚へはみ出してみませんか。

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