長引くコロナ、長引く緊急事態宣言
当初は巣ごもり需要で前年を上回る売上を記録した店舗がありました。しかし、それは需要の先取りであって、コロナが長引くにつれ来店客数と共に売上が減っています。
取次の売上速報も眉間にしわを寄せるものでした。
しかも、鬼滅の刃のようなタイトルも期待できません。
今年度に入って売上厳しい店舗の話をよく聞き、いよいよヤバさを感じます。
なんとかしたい、けど、どうしたらいいのか分からない書店員へ
手軽にはじめる、売り上げ改善へのワザを書いていきます。
中には僕の経験から実証済みのワザもあります。
これは上手くいった、こうするとお客様財布を開く
今回そんな話をして行きたく思います。
もっとも、書店の環境は店舗によって異なります。
メカ書店流の効果はいまいちだ、ということもあります。
しかし、このままなにもしないまま、じりじりと売上を減らして、閉店となった時
ああすればよかった、こうすればよかった、と嘆くより
思いついたことはやってみることが肝心なのではないでしょうか。
どうしたらいい?と迷える書店
その手助けになればと、考え書きました。
自己紹介
私 メカ書店員と申します。
10年以上書店業界にいます。
書店員として経験してきたことは
- 旗艦店
- 新店立ち上げ
- 書店外商
- 管理職
- 本部
- 都会の店舗
- 田舎の店舗
- 本のないお店
と様々な場所を経験してきました。
書店棚再生メカと名乗っています。
先に言っておきますと僕の改善幅は年間110~125%程度です。
その能力が買われたのか、どうか分かりませんが、以前ある改装店舗のお手伝いに行きました。
「メカさん、この棚で月一千万売上作りたい」と新店長に声を掛けられ、凍り付いた体験があります。
その一千万という数字が、いままで売っていた金額の3倍であったのです。
売上予測というのは、以前の店舗での実績、周辺環境、在庫量の変化ではじき出すのですが、いきなり3倍という。
聞けば一千万なら黒字になるという。つまり、黒字ありきで計画が立てられた、ことに凍り付いたのです。
厳しいことを言うと、無謀な計画が出てくるのは、もはや経営者とその取り巻きの問題なのかもしれませんね。
さて、3倍にしろというのは難しいですが
110~125%程度改善することで、一息つけます。125%も5年続けば3倍です。
そして何より、売上が改善することは、店の自信になるのです。
こうやってお客様のこころをつかむのか・・・この感触が明日に繋がるのです。
そんなお話を今回したいと思います。
平台拡張
使わなくなった貼れパネなど、堅い板を入れることで平台の面積を広げます。
すると平台の書籍を増やすことが出来まるのです。
仮に一列8冊であったのが9冊10冊置けるようになると、それだけで平台の売上が上がるのです。
何故上がるのか、それはお客様の目に触れるタイトルが増えるからです。
本が売れる要素とは3つあります。
1つは本が持っているパワー。新刊とか話題とか有名著者といった要素。
これは自分の力ではどうすることも出来ません。
2つ目はポップなどで推すパワー。書店員のおもい、なぜオススメなのか発信するのです。これは店でコントロールできます。
そして、3つ目はいかにお客様の視覚に触れさせるかです。これもコントロールできます。
接触頻度が低ければ、どんなにいいものも売れないのです。
平台における商品を増やすは、きわめて単純ですが単純だけに効果があるのです。
拡張してできたスペースには単行本もいいですが
関連する文庫が好適です。POPを付けてついて買いに誘導しましょう。
ただし、平台拡張ですが、やりすぎると、本が落下するので気を付けましょう。ほどほどに。
棚段拡張
例えば6段の棚があったとします。
挿さっている本の頭と上の段との間にすき間がありませんか?
書籍の構成を考えながらピッチを詰めるのです。
そして6段の棚を7段にして使えませんか。
最上部の板を外せるようならば取り外してください。
7段にすることで商品数は116%に増えます。
もし、8段に出来たら133%です。
商品の種類を豊富に持つとは、お客様の選択の幅を増やすことなのです。
今までなかった細目を在庫できるのです。
増えた棚に関連する新書・文庫を展開するのも面白いでしょう。
増やした棚で一列面陳にするのも手です。
ただし、この方法、棚段を揃えることにとらわれている店舗ではできないことがあります。棚段を揃えることで写真写りが良くなることは事実ですが、それと売上に関連ありません。棚段揃える至上主義者には「愚かな」と言い放ちたいところをぐっと抑えて、1か月試させてとマイルドにゆきましょう。
在庫を増やすことに対する、反対者。例えばジャム理論信奉者。
また、ジャム至上主義者もいます。ジャムの理論によれば、種類を増やしても売れない。それは、情報が多いと逆に選びづらくなる。よって売上げは伸びないという考え方を信奉する人たちです。
業界仲間が自信ありげに、ジャムだから余計な本を持たない方がいい。なんて、言い出したので寒気がした覚えがあります。
さて、ジャムという商材、本という商材、同列に語れるでしょうか?
僕は違うと思うのです。
ジャムの法則は6種類のジャムと24種類のジャム比較実験から得た法則です。
しかし、冷静に考えてください。
ジャムの種類6種類以上思い浮かべれますか?オレンジ・ブルーベリー・いちご・ピーナツ・梨?・うーんジャムですら24種類なかなか考えることができません。(たぶん、リンゴの種類ごと、オレンジの種類ごとにフレーバーがあるのだろうけど。)
これを本に置き換えます。ある問題をテーマとし解決する本のバリエーションは6種類を超えることはまず無いです。ランダムに考えてみよう
- タイ料理の本
- 20代女子に向けた着こなしの本
- 身近な昆虫の図鑑
6種類以上思いつくだろうか?
ましてや、24種類も問題を解決に導く本は無いのです。
書籍とジャムを同じに扱ってしまうところに思考の穴があるのです。
ジャムの法則に従って売場縮小しても大丈夫。
と、縮小するのは気の利かない本屋になるばかりです。
そんなことを言うジャムおじさんには、ここ10年で最も成功した小売店がドン・キホーテであることをレクチャーする必要があります。
ユニクロだって、Tシャツの種類、色のバリエーションが豊富なのはどういう背景か?
ジャムとTシャツと書籍の購買決定の要素が異なるのです。
書籍は在庫をいかに豊かにするかが、売上改善の初手ではないでしょうか。
ワゴン展開
すでにやっているお店もありますが定番です。人が通過するレジ前・入口が適当です。
ベストセラー・話題書展開とは別に提案ワゴンを作りましょう。
客層を考えて店独自の提案をするのです。
シニアの引き合いが強い、健康本・パズル本・ボケ防止本を展開とか
青幻舎のパラパラ漫画もいいですね。https://amzn.to/3ohgvs8 見本は出版社にお願いして貰いましょう。
お手頃本1,000円を切る料理新書もいいですね。
ワゴン展開の狙いはついで買いです。なので、衝動買いを誘発する方向で考えましょう。
レジにお並びの際に目に入るような配置をします。
もし、750円の本をついでにお客様が買ってくれたら、客単価はどれほど上がりますか?
売上の伸びは1割どころではありませんよね。
ワゴンはこんなものでOKです。
ミニベンチ展開
平台の前に設置します。
教科書ガイドや看護書のセット辞書など展開するのに便利です。
ベンチ展開はジュンク堂でよく見られる手法です。
ジュンク堂は平台なしの立ち上がり本棚を開店時導入する店舗が多かったです。
図書館よりも図書館らしい書店を目指していたジュンク堂はぎっしり在庫を持つためにこの棚を選んだのです。
ところがこれはしくじりでした。最下段(お客様の目に入らないので)が全く売れないのです。善後の策として棚の前に小さいベンチを配置し平台の代わりにするようになったのです。
ミニベンチ展開とは、その拡大解釈です。
平台拡張に飽き足らず、平台の周りにベンチ展開をするのです。
特に、児童書の平台まわりに小型のベビーブックを置くと威力を発揮します。
例えば、こんなミニベンチ。
平台よりも低いことが、売り場にアクセントを生みます。
ただし、ミニベンチですが通路が消防法に引っ掛からない程度にしましょう。平台をミニベンチで囲った結果、真ん中に手が届かないなんてことが無いように。(平台の真ん中は捨てて、立体ディスプレイにするのも手です)
POPをほどよく
これまた基本中の基本ですが、平台に何が推しか分かるようにPOPを置きます。
そして、POPを付けた書籍を平台の手前から2~3列目に配置します。
一番手前は勝手に売れる話題書です。
時間が無い場合出版社の拡材でいいですが、書店員による手書きのがよく動きます。
印刷文字より手書きが目立つから売れるのです。
細かい字まで読む人は少ないので、手短な文面を心掛けましょう。
僕の愛用は三菱ポスカです。
POPなんて置かない方がいいというチェーンもありますが。激しく反対です。
本は置くだけで売れると今もなお勘違いしているのでしょうか。
工夫を加えて売るのが、現代の書店です。
見栄えがなんとか、字が美しくない、とか言う方は、ここ10年で最も成功した小売店がドン・キホーテであることをレクチャーする必要があります。
棚のアイラインを強化
ジャンルによりますが、身長160センチ~170センチを想定して目の高さを面陳にします。
本は挿さっているだけでは売れないです。
たくさん、面にすると落下するので滑り止めを使いましょう。
滑り止めネットは100均で売っています。
基本、在庫量を増やすという施策が売り上げに有効です。なぜ、書店が大型化するのか、それは在庫量が多いほど地域で優位に立てるからです。ここに行けばあるだろうという期待感が、ブランドになるのです。面積が限られていても、棚や平台の収納力を高めることで、在庫量を高めることができるのです。そして、あの書店たくさん在庫あるな感を出すことで、安心感を生むのです。
棚在庫の回転率を確認しましょう
棚在庫、棚売り上げを確認した上で、書籍の未稼働日数の限界を決めましょう。
稼げる棚にするためです。
棚づくりとは、野球の監督が打率の良いクリーンナップを作るとのと同様です。
平均回転日数を確認した上で、その2分の1のスピードで回転する本があれば、それは優秀な本なのです。
棚挿し平均回転日数。返品する基準とする未稼働日数。面陳の平均回転日数。これら把握することで、既刊であっても面陳にするかどうかの判断が出来るのです。
返品の実施
長期間(例えば半年とか1年以上)売れていない本は直ちに返品しましょう。365日打席に立ちながら、1回もヒットを打っていないのと同じです。そんなものは契約解除です。棚が腐っています。
例外として矜持として置く本・店の格を上げるための本があってもいいのですが、一部にとどめましょう。スパイス程度でいいのです。
矜持として持っておく本があってもいいです。僕はそれを否定しません。ただその代わりに、その本の何がいいのかを発信してください。矜持があるからにはお客様に読んでほしい理由があるはずです。発信する言葉が無いのにも関わらず置くとは、独善もいい所です。それだけ、これは置いておきたい意味があると発信すればファンがつくというものです。
レジ声掛けを規格化・カード政策・アプリ政策
カード・アプリ勧誘を積極的にすることは地味に効きます。定型文を作成し、レジ担当に必ずお客様に伝えるようにしましょう。
レジを通過したお客様を確実に次回もお客様にするのです。
最近はメールでおすすめを送れるので、集客にもつながります。
逆に言えば、会員になってもらってもメールでお知らせを送れないのであれば、十分に活用していると言えないのです。
財布の中に、スマホの中にポイントカードが入るというのは、お客様の日常に広告枠を得たとことと同じことです。
アプリに在庫検索機能も入っています。検索機に並んでいるお客様はすべてアプリに引き込むことが出来ると考えましょう。
書店で本を探す時にまず検索機というのはもう古いのです。
僕は、HONTO・紀伊国屋
使っています。便利ですね。検索機に並ばずに確認できるはありがたいです。
SNSで作者・出版社を巻き込む
書店SNSは必ず運用しましょう。SNSはペルソナがどうの、インスタは映えが云々言いますが、全く更新の無いSNSが多すぎます。
Twitterで書店アカウントかなりフォローしましたが、面白く人間味のある発信が少なくてガッカリしているのです。
新刊案内、気になる本の案内、POPを写真で、イベントのURL誘導、日常のつぶやき、SNSでできることはたくさんあります。しかも無料です。
ただ、つぶやくのだけではなく、関連するハッシュタグ、#作者名、#出版社名、#読書が好きな人と繋がりたいなどいれて、絡むことがデキるのです。
僕が面白いなと思うアカウントは
くまざわ書店蒲田グランデュオ蒲田店(@kumazawa_kamata)と有隣堂グランデュオ蒲田店(@yurindo_kamata)です。
かつての西武百貨店池袋本店に三省堂書店とリブロ本店が同居していた以上の不思議さです。
同じグランデュオに棟は違えど書店が2つ入っているのです。
しかも、フォロワー数がほとんど同じです。
有隣堂はランキング中心の発信ですが、くまざわ書店は毎日つぶやいている、書店に関係ない日常も含めての発信をしている。
この2つのアカウント運営方針は興味深いものがあります。
お互いはお互いをどう意識しているのだろうか。
蒲田による機会があれば、立ち寄りたくなりますね。
そう、いつものお店が意識を注ぐ対象となるのです。これがSNSの力です。
サイン本商法
が示すようにサイン本を推し出しているのに好感を持っています。Amazonと同じ値段で差別化できる方法としてサイン本は有利なのです。
(逆に言えば、僕がAmazonにいたら、真っ先に提案しますね。サイン本やりましょう。買切りますよ、ドヤ顔で。)
リアル店舗もサイン本を多く展開することで、独自色を出すことが出来ます。
できれば、探して地元の作家を巻き込みましょう。
なお、サイン本は返品できないので実績が見えない場合は、ほどほどにするのが吉です。
サイン本について、取り置きが出来るお店か出来ないお店2種類があります。
取り置きNGの狙いは転売屋さん対策なのですが、
今、病気で書店にいけないから、どうにかならないのか?と言われ、それでもできないと、答えるのに胸が痛むことがあります。
一人1冊、1週間以内に来店を約束してOKにするとか、代引きで受けるとかしてはどうでしょうか。
テンバイヤーめ!と憤慨する書店員のつぶやきを見ますが、転売上等!
すぐ売れれば、転売屋さんが困るぐらい、追加のサイン本を作ればいいだけの話です。
転売されるほど価値があるなら、著者さんにそのことをお伝えして追加の作成をお願いすればいいのです。
自分の店舗を贔屓にしている作家さんなら、きっと応えてくれるはずです。
これは、僕の体験ですが、著者さんを抱え込み、ほぼ独占的にサイン本を販売したことがありました。
在庫が無くなりそうになるたびに連絡し、絶えずサイン本を供給してもらいました。店頭のみならず、WEBで販売し、それをSNSでPRし、しかも著者さんのSNSからも発信しました。それも1年以上に渡って。
そしてついに単品販売がAmazonに勝つ快激をしました。
単店舗売上でオール紀伊国屋に勝つ、楽天に勝つ体験は幾つかのタイトルで達成していましたが、Amazonに勝ったのはこの1回のみでした。
おそるべしサイン本商法。
しかもこれは、どこの店でもできる話なのです。
店内見取り図を作る・チラシを作る
お客様からよく問い合わせを受けるとは、お店が分かりにくい証拠です。機会ロスが発生しているのです。
店内レイアウトを手作りでもいいので作成しましょう。どこに何があるのか分かりやすくするのです。ヘタウマでもOKです。
さらに、年に一回上質な紙を使って保存版見取り図を作成して新聞に折り込みチラシにしましょう。
チラシでは見取り図と共に、地域の書店として、地域の皆さんの問題を解決できるお手伝いができることをPRしましょう。
それが、地域に根を張る書店への一歩なのです。
洋書セールをやりましょう
洋書は再販制度に縛られていません。そのため、安く販売することが出来ます。
洋書取次。三善(独立系)、日販IPS(日販系)、日本出版貿易(トーハン系)、東京ブックランド(丸善ジュンク系)等々洋書卸あります。相談してみるといいでしょう。洋書卸は買切りで商品を仕入れているため、在庫のはけ口として困っている時があります。
ただ、所属しているお店が洋書売り場を持っていないと、いきなりバーゲンしたいと言っても難しいです。
そこで、メカ書店員オススメはフォリオス(独立系)です。
ヴィジュアル洋書をお安く仕入れることが出来ます。時々さらに安いバーゲンブックもあります。
フォリオスの商品は欧米市場でB本と呼ばれる。過剰生産品がメインの為、書籍の小口にマジックで印が付いていることがありますが、中身に問題ありません。
興味ある方はWEBページをご覧ください。意外な安さに驚きます。これ、小売り価格なので、卸値はまた別なのですよ。

しかも、ヴィジュアル洋書は書店の格を上げることが出来ます。
話はそれますが、独立系洋書卸、三善も興味深い会社です。 昭和26年に富士銀行本店の中で生まれ。メイン事業はペーパーコースター、蚊取等の防虫マットの製造及び販売事業です。いまでこそ液体に取って代わられた蚊取りマットですが、あのマットを作っていた会社が、洋書供給の一角を担っているのですね。
和書バーゲン本の展開
和書では八木書店によるhttps://company.books-yagi.co.jp/wholesale_bargainbooks
バーゲンブックがあります。
バーゲンブックは旧定価の20%~30%前後となります。自由価格本ですので最終価格は小売店様の自由ですが、通常小売価格は卸価格の2倍程度をお奨めしており、およそ50%の利益が確保されます。この卸価格×2倍の小売価格で、旧定価の40%~60%の小売価格となり、消費者様にとっては60~40%OFFのサービスとなります。
これはなかなか美味しい商品ですが、買い切りですので、在庫コントロールが必要です。
バーゲンですので商品ラインナップもやや難があります。
しかし、著名書店員の久禮さんが書店について書いた文章「普通の本屋を続けるために」によればhttps://www.asuka-g.co.jp/news/1701/010534.html
買切り商品を扱うことで仕入れの目利きを訓練できる、とのこと。これは意見を共にします。
買切りを扱い、これを工夫し売る力は自信に繋がります。たとえ売れ残っても損切という体験も大切です。
もちろんだからと言って、本部主導の買切り政策を支持するものではありません。
現場が売る力を身に付けることに意味があるのです。
その練習として、八木書店のバーゲンブックは試す価値のある施策です。
時間帯ワゴンを設ける
ワゴン展開の応用です。
午前中と夕方から夜の客層が変わるお店があります。具体的には駅近くのお店です。夕方から学生・サラリーマンが増える傾向にあります。
ワゴンを2つ用意し、午前から夕方は主婦・シニア層を意識した料理書・健康書を展開し、夕方から閉店までは、学生・サラリーマンを意識したスキルアップ・語学・ビジネス書を展開するのです。
来店されるお客さまにペルソナに寄り添った商品展開は、お客様のこころも財布も開くのです。
傘を売る
雨が降れば売れます。ただ、顰蹙を買わないように、コンビニより若干安くするのがコツです。よく売れます。傘を忘れたスタッフも買います。
レジ袋無料キャンペーン
時々やりましょう。
店のロゴの入ったレジ袋は広告になるのです。さらにそこにチラシを入れましょう。
最後に、毎日の売上を見る、数字ではなく、何が売れているかが大切。
売上とはお客様に何が響いたかの結果です。
自分の知恵と工夫で、ワゴンから平台から棚から商品が売れたらワクワクしませんか?
そのワクワクが次への自信となるのです。
棚を持っている以上は、日々何が売れたか把握しましょう。
上位ではなく中位に個性と傾向が見えます。
どんなお客様が店についているかを把握することで、精度の高い気の利いた棚を作ることができるのです。
書店の売上は厳しいです。
不景気な話ばかりですが、なにか新しいことを私たちの業界はしましたか?
カフェしました。空間良くしました。というのは、聞きますが
売り物である書籍に真正面に向かっていない、と感じるのです。
日々のルーチンをこなすだけではなく、いかに売るための工夫をするかが、いま最も大切ではないでしょうか。
スタッフだれもが、工夫をする。推しが分かるお店となって初めて、行ってみたい話題の店が出来るのではないでしょうか。
まだまだ、売上改善の方法はあるでしょう。
しかし、まずはやってみる。という事ではないでしょうか。
おわりに
思うにここ10年小売業で成功しているのはドン・キホーテとドラッグストア。健闘しているのがスーパー、ダメなのが百貨店です。
人口減、可処分所得減であってもどうしてドンキは健闘しているか、考えてみませんか?
クドイぐらいのPOPは敬遠する方もいるでしょうが
あれが増えているのは一定の成算があるためです。
ならば、書店がどの方向を目指すのかは明らかです。
書店のリアルの強みとは何か。体験が楽しく、宝探しみたいで、偶然の出会いがあることに意味があるのではないでしょうか。
変わらないことがリスク、なんて言いますが。
最大のリスクは変わらない環境で働いている事です。
そう、書店で働いていること自体が
レジ売っていただけだろ、届いた商品を出しただけでしょ、シフト作っていただけでしょ、と評価されるリスクです。
「言われたことだけをやっていました」
だけではない体験資産を書店で働くことで身に付けて欲しいと願うのです。
見向きされなかった冴えない書籍を、POPと展開方法SNSで日本一売れるようにしました。結果、ラジオに出ました、TVに出ました、レジ客増えました。こういった経験こそが働く喜びを彩るものではないでしょうか。
書店員という職業こそ、書籍に新たな価値や喝を吹き込むことがデキる仕事ではないでしょうか。
いろいろ書きましたが、まずは、やってみてはどうでしょうか。
この文章がそのきっかけになれば嬉しいです。
売上云々ではなく、スタッフが快活にアイディア・工夫を競う、そんな環境大切です。
スタッフの力が活かされる店であるべきで、旧来のスタッフを単なる品出し、レジ要員と考える時代は終わっているのです。
そのことが意識され、工夫が実行されれば、売上など後からついてきます。
1割アップなんて簡単です。
今日はここまで。
お読みいただきありがとうございました。