ぶっちゃけ シャレオツ系書店ってどうよ?

書店あるある

ちまたでおしゃれな本屋さんが増えていますね。

ステキな什器

落ち着いた照明

ゆったりしたソファー

どこからともなくコーヒーの香りがし

購入前の本も読める

誰かかしらがノートパソコンを開いている

俺はスタイリッシュで都会的な先端人

今日もシャレオツ書店のコーヒーから一日がはじまる。

差し込む朝の光から、

キター、キター、インスピレーションの神が

むふ、むふふ。

とかなんとか、お仕事している人も見かけます。

まぁ、実際にはおしゃべりにいそしむ女性や

歩き疲れたカップルが所在なさげに、スマホいじっている事のが多いですがね。

はい、今回のテーマは

ぶっちゃけ シャレオツ系書店ってどうよ?

です。

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【結論から言っちゃいます】

シャレオツ系書店とは本で稼いでいません。

シャレオツな雰囲気で集客する。シャレオツとは本のある空間である。

そのために、シャレオツに特化しようという進化のルートを選んだ書店なのです。

したがって「書店はこうあるべき」であるというものさしで見てしまうと

勘違いが起きてくるのです。

どこかおかしなシャレオツ書店。いわば、突然変異種です。

突然変異種ってどうしても、俺たちとは違うから

そんな目で見てしまいますよね。

よく聞く不満や批判は

そういうことなのだと思います。

【自己紹介】

申し遅れました

私 メカ書店員と申します。

好きな油は

少し塩の入ったゴマ油です。

10年以上書店業界にいます。

  • 旗艦店
  • 新店立ち上げ
  • 書店外商
  • 管理職
  • 本部
  • 都会の店舗
  • 田舎の店舗
  • 本のないお店

と様々な場所を経験してきました。

その中で、敵情視察・報告書の作成・同業者との交友などからの

蓄積されたメモリーから

今回、シャレオツ書店について。さらには書店の未来に考えてゆきます。

【シャレオツ書店に対する批判】

俺はスタイリッシュで都会的な先端人

とパソコンいじりにいそしんでいる人からは聞かれませんが、

こんな声がお客様から聞こえます。

  • おしゃれだけど、分類がよくわからない
  • 検索しても棚番号がどこにあるか分かりずらい
  • 手の届かない高所に本が飾られて、ほこりかぶっている
  • 本を買わないまま、コーヒーが飲めるのって、著者に対して敬意がない
  • クロスワードパズル、ナンプレが無いじゃないか

書店員からは

  • 近くに出来ると聞いて戦々恐々だったが、意外とお客様は戻ってきた
  • 書店営業さんから提供される、単品売上ランキングに名前が無いから・・・商売としては、厳しいのではないの?
  • 一時的にお客様を奪われるが、飽きれば戻ってくる

WEBで見かけるネガティブな感想というのは多少増幅されているので、差し引いて受け止める必要はありますが、まとめると

「気が利かない書店なのにどうして成り立っているか分からない」

と首をかしげているのが、正直なところではないでしょうか。

【売上ってどうなの】

書店の売上。

機密情報に思うかもしれませんが

簡単に見つけることが出来ます。

ちょっと古いですが

書店 売上ランキング100 2016年 単店別 日本経済新聞社 発表
出版業界の専門紙「新文化」2017年4月20日号に「日本経済新聞出版社の2016年 特約店 単店・法人別売上げランキング」が発表されました。1位から100位までを抜粋してご紹介いたします。   ...

日本経済新聞社 発表の

書店 売上ランキング100 2016年 単店別 

というものがあります。

これは日本経済新聞社から出た書籍のみでのランキングですが

ここに入っていてもよさそうなシャレオツ書店がここにはありません。

むしろ、昔ながらの書店のが頑張っていることが分かります。

ちょっとデータが古いせいでしょうか。

もう少し新しい

2018年度 コンピュータ書売上ランキング を見てみましょう。

2018年度 コンピュータ書売上ランキング発表(第9回CPU大賞)-コンピューター出版販売研究機構
2018年度 コンピュータ書売上ランキング発表(第9回CPU大賞)

これも、特定の出版社の書籍に絞ったランキングなので

偏りはあるでしょうが、

ここでも、シャレオツ書店を見かけません。

このほか、書店員は出版社営業さんから

担当地域の単品銘柄 売上実績データ

に触れる機会があるのですが、

シャレオツ書店が売上上位に名前を連ねていることは滅多にありません。

たしかに、シャレオツ書店を観察すると、コーヒーを飲んで雑誌を眺めている様子は目にします。

けれども、書店のショッピングバックを抱えたお客様は少なく、書籍を買っている印象はあまりありませんよね。

【シャレオツ書店の狙い】

では何で儲けているの、ですが

カフェです。

考えてみましょう。一杯500円のコーヒーの利益を書籍で出すためには

何円の本を売らなければいけないのか。

コーヒーの原価率は15%

一方書籍はざっくり75%

つまり、500円のコーヒーでの利益は350円この利益350円を書籍で作るには書籍だと1,400円の売上が必要なのです。

おいしい商売ですね。カフェって。

しかし、それだけではありません。

集客としての書店を活かそうという狙いも持っています。

シャレオツ書店は人が集まる空間づくりにこだわります。

ビルオーナーとの家賃交渉で

入店客数が、これこれだから、人を集めていますよね。

ですので家賃を低くしてください。

といった交渉をするのです。

書店は家賃が安い。

すこし、ずるい感じがしますが

昔から書店は人を集めることが出来るから

と家賃を他のテナントに比べて減免されていたのです。

商業ビル売上は来店客数に比例します。

かつて書店は商業ビル内において集客装置として機能する、だから多少家賃が安くてもOKでしかも重宝されていたのです。

ところが、時代は変わり、書店に行かなくとも本や情報は手に入るようになりました。

お客様の行動は変化し、書店の集客力は衰えました。

この変化にどう書店は変わるのか、各チェーン色々な模索があったのです。

【書店業の進化論】

生命の進化に似たような話です。

あるものは、巨大化を選びました。

品数豊富ならば、ライバルを圧倒できるという物量作戦です。

90年代半ば、どんどんデカい書店が全国に作られました。

一等地ではなく、少し離れた二等地狙いの巨人族。。

ぶっちゃけJ堂のことです。

この県になぜ?という出店もありました。

一方、シャレオツ族は、どうすれば人が集まるかにこだわりました。

その答えが、そういえば書店で立ち読みしてると疲れて座りたくなるよね。

じゃぁ、カフェ。

ぬ・ぬ・ぬ。ただのカフェではつまらぬ。

徹底的にやってみよう。

その答えがシャレオツ書店になったのです。

シャレオツ書店の狙いはそれだけではありません。

シャレオツ書店が近くにあることで、近隣の分譲マンションや不動産が高騰したのです。

その結果、ディベロッパーから感謝される。他のところもどうですか?という話になったのです。

そう、ディベロッパー思考を持っているのですね。シャレオツ書店は。

まさに現代の錬金術なのです。

そこのところはこの3冊が詳しいです。

まぁ、自分語りなところがある癖の強い3冊ですが

シャレオツ書店の根底に流れている考えが何であるのかを知るのに役に立つ本です。

知的資本論posted with ヨメレバ増田宗昭 CCCメディアハウス 2014年10月 楽天ブックスAmazonKindle7nethontoebookjapan

TSUTAYAの謎posted with ヨメレバ川島蓉子 日経BP 2015年04月30日頃 楽天ブックスAmazonKindle7nethontoebookjapan

増田のブログposted with ヨメレバ増田宗昭 CCCメディアハウス 2017年03月29日頃 楽天ブックスAmazonKindle7nethontoebookjapan

・・・いずれも、提灯な内容を割り引かないといけない内容であること、予めご了承ください。

Amazonレビューをみても、参考にならない持ち上げコメントばかりです。

ぶっちゃけ、広く出版されている書籍をお客様に届けることに対しての社会的責任、矜持、哲学が読み取れないのです。

そこのところ、これからの先、何か出版されるなら意見を出してほしい所です。

例えば、小規模自治体でのTSUTAYA運営を維持していることは、賞賛されると思うのですがいかがでしょうか。

TSUTAYAさんはかなり小規模な自治体にも店舗があります。地方のTSUTAYAが書籍インフラとして果たしている役割は無視できません。商売的には厳しいと推測しますが、これを維持している姿勢は評価してもいいのではないでしょうか。

批判の多いツタヤ図書館ですが、人口3万人程度の岡山県高梁市なんてところにもあります。

シャレオツを推進する力がとかく目立つTSUTAYAですが、これから地方をいかに守るか…気になります・・・

とはいえ今回の話題はシャレオツ書店です。

シャレオツ書店・・・しかし、

これを、書店といって良いものか。

僕の中では常にもやもやがあります。

何か忘れてしまったものがあるのではないでしょうか。

皆さまはどう感じますでしょうか。

【シャレオツ書店を乗り越えて】

オーシャレッツ!シャレオツ空間がカネになるそうだ。

ゴールドラッシュだ!

サードプレイスだ!

クリエイターが集う空間だ!

加えて

コロナ禍ということもあり、リモートワークで、コワーキングスペースの需要が高まる中

空間をシャレオツにして稼ごうという傾向はまだしばらく続くと思います。

しかし首都圏での試みが地方でも通用するか、これは未知数です。

にしても、そもそもシャレオツ空間は本を買いたいという雰囲気でしょうか。

僕は本を買う雰囲気ではないように思います。

むしろ、雑誌や本を買わなくてもコーヒー片手に座席に座って読めてしまうことは、

「買わなくても読めるよね、ラッキー」とフリーライダーを生む温床となり

結果、出版業界の衰退を招くものと考えます。

このやり方が、地方にまで波及した場合、、、空恐ろしいものがあります。

また依然として

お客様からのモヤモヤは消えません。

  • おしゃれだけど、分類がよくわからない
  • 検索しても棚番号がどこにあるか分かりずらい
  • 手の届かない高所に本が飾られて、ほこりかぶっている
  • 本を買わないまま、コーヒーが飲めるのって、著者に対して敬意がない
  • クロスワードパズル、ナンプレが無いじゃないか

こういった、声が解消されないまま

目先の利益のために、棚を縮小し

カフェを作り、座席が増殖する。

シャレオツ空間の妨げになるからとPOP不要と考え

ますます気が利かなくなる。

おまけに、レジの自動化と共に書籍の人件費節約考える。

適切な本を適切なお客様へ橋渡しをする書店員という機能が、ますます損なわれるまずい兆候を正直感じます。

同じ時代を生きる者たちが、紡いだ知。

幾人もの手を経て、書籍という形になり

それを必要とするお客様に渡してゆく。

この小さな営みを永続的にする答えは

シャレオツ書店には無いと考えます。

昔ながらの書店も反省しなければなりません。

濁流のように、毎日届けられる書籍に翻弄され

仕事が機械的になっていませんか?

置いておくだけで売れた時代は既に去りました。

本を並べ、返品すること追われ疲弊していませんか。

どうしたら、お客様の財布をひらかせる提案が出来るか

売上傾向から何が自分の店で求められているか

分析眼と知恵を磨いていたでしょうか。

そろそろ、自分たちの発信と目利きで人を寄せませんか?

幸い、テクノロジーが発達し

それは、昔ならできなかった

全国への発信ができます。

そこにマネタイズの秘訣があると考えます。

本を置いとけば売れる、種類豊富なら売れるでしょ。

という巨人族。

本より空間だ。空間で人をあつめて勝つる。

なシャレオツ族。

このどちらにも属さない商いの形

個人個人の書店員が発信することで人は集い

その発信力が体現した空間に調和があり

1冊の本に、情報を扱うという矜持に溢れた書店という道があるのではないか。

と、夢想します。

ハードル高いかな?

けど、いわゆる独立系書店に僕は期待しています。

正しいものを、僕は応援したいと考えるのです。

今日はここまで

お読みいただきありがとうございました。

コメント

  1. […] 関連記事 日本のシャレオツ書店についてはこちら […]

  2. より:

    > 書店は家賃を安い。

    書店は家賃「が」安い。
    ではないでしょうか??

    • mecha-books より:

      ありがとうございます。
      直します。
      助詞をすぐ間違えるクセがあって
      お恥ずかしい限りです。

      お読みいただきありがとうございます。

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